おかじーのはてなブック  〜雑多な日常〜

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The Clash - Lost In Supermarket 〜失った情景を思い出すための曲〜

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The ClashのLost In Supermarketは1979年に発表されたアルバム「ロンドン・コーリング」に収められている曲。

 

この曲を聞くと何故だか、やたらと懐かしい気持ちになる。「ロンドン・コーリング」というアルバムに初めて出会ったのは16才くらいの頃だった。その頃、好奇心だけで国内海外を問わずに様々なアーティストの作品を聴きまくっていた。

 

その頃にThe Clashというバンドはセックスピストルズ・ダムドと並んでイギリスの三代パンクバンドとして歴史的な存在のバンドとして雑誌やCDショップで紹介されていたのでその流れで知ったのだと思う。当時好きだったミュージシャンが影響を受けたアーティスとして紹介されていた流れもあったのかもしれない。

 

初めて「ロンドン・コーリング」を聞いた感想は素直に「格好いい!」だった。それ衝動は今もなお色褪せない。シンプルな曲が多いのだけで全体的にこのアルバムの完成度は今聞いても高いと思う。

 

アルバムジャケットのジョー・ストラマーが衝動的にテレキャスターを床に叩きつけている暴力的なイメージとは裏腹に、アルバム全体のクオリティは高いし、ジャンルもレゲエやブルースなどの要素も取り入れてパンクバンドという域を超えている。

 

そんなパンクバンドという狭い枠を叩き潰すという意味がジャケットの写真には込められているのかもしれないが.......

 

さて、このアルバムの中で特にお気に入りの曲が「Lost In Supermarket 」である。キャッチーなギターのリフからメロディアスな歌メロ、聴きやすいアレンジ、どこか懐かしい響き......名曲だと思う。

 

素晴らしい曲というのはいつの時代でも色褪せないが、それは初めて出会った時の景色や空気、匂いがそのままパッケージされたような、その曲の思い出が色褪せないという意味もあるのではないだろうか。

 

この曲を聞いたていた頃の部屋の雰囲気、悩み事、考えていたことなど鮮明に脳裏に浮かび上がってくる。もちろん完璧にというわけではないけれど。

 

その感覚がLost In Supermarketからは強烈に感じるのだ。とても情緒的なメロディーなのだけど、とても楽しそうにメンバーが演奏をしている絵が見える。名曲というのはそういうものだ。

 

今聞いても、とても素晴らしい曲なのでぜひ聞いてみてほしい。

 

youtu.be

 

個人的に、クラッシュの曲の中で一番の名曲なのではないだろうか? 名曲というのは人それぞれなのでクラッシュといえばロンドン・コーリングを思い浮かべる人もいるかもしれない。でも僕にとってはこの曲がオンリーワンなのだ。

 

またこの曲にまつわるエピソードも実に興味深い。この曲は邦題で「もしくは保障付きの俺なのに」というサブタイトルが付いている。この曲が出来た背景にはメンバー同士の色々な逸話があるみたいだが、メンバーたちの背景を歌ったような曲なのだ。

 

 

Lost In Supermarket

I'm all lost in the supermarket
I can no longer shop happily
I came in here for that special offer
A guaranteed personality

スーパーマーケットで迷子になってしまった。
もうハッピーに買い物できない。
特売になってたあの
人から認められる人格ってやつが
ほしかったんだけど。


I wasn't born so much as I fell out
Nobody seemed to notice me
We had a hedge back home in the suburbs
Over which I never could see

誰もぼくのことに気づいてないみたいな
そんなことになってしまうために
ぼくは生まれたんじゃないと思う。
郊外にあったぼくのうちには
高い垣根があって
ぼくはその向こうを1度も見たことがなかった。


I heard the people who lived on the ceiling
Scream and fight most scarily
Hearing that noise was my first ever feeling
That's how it's been all around me

天井裏で暮らしてる人たちが
ものすごくこわい声で
叫んだりけんかしてるのが聞こえてきた。
それが生まれてから最初に感じたことだったから
今でもその音が耳に焼きついて離れない。


I'm all lost in the supermarket
I can no longer shop happily
I came in here for that special offer
A guaranteed personality

スーパーマーケットで迷子になってしまった。
もうハッピーに買い物できない。
特売になってたあの
人から認められる人格ってやつが
ほしかったんだけど。


I'm all tuned in, I see all the programmes
I save coupons from packets of tea
I've got my giant hit discoteque album
I empty a bottle and I feel a bit free

今の時代には
すっかり溶け込んでると思う。
テレビの番組は全部見てるし
紅茶の袋のサービス券も集めてる。
ディスコのメガヒットのアルバムも買った。
酒ビンを空にして
それでちょっとだけ自由を感じる。


The kids in the halls and the pipes in the walls
Make me noises for company
Long distance callers make long distance calls
And the silence makes me lonely

団地の入口で騒いでいる子どもたちや
壁の中を伝うパイプが
やかましい音をたてて
さびしいおれにつきあってくれる。
長距離電話をかけている人たちは
本当に遠いところに向かって叫んでいて
その静寂が
おれを孤独にさせる。


I'm all lost in the supermarket
I can no longer shop happily
I came in here for that special offer
A guaranteed personality

スーパーマーケットで迷子になってしまった。
もうハッピーに買い物できない。
特売になってたあの
人から認められる人格ってやつが
ほしかったんだけど。


And it's not here
It disappeared
I'm all lost

ここにはもうない。
見えなくなってしまった。
おれは迷子だ。

 

そういえば、僕は昔よく迷子になっていた。そしてこの曲出会った16才当時も人生の迷子みたいなものだった。タイトルを直訳するとスーパーマーケットの迷子なわけだけど、現代社会を皮肉に揶揄していると思う。

 

集団や社会に溶け込めず、自らの主張を”ロック ”という形で自己表現した人たちがパンクバンドを作った。彼らもまた、時代の迷子だったのかもしれない。それがこの曲のなんとも言えない哀愁を漂わす魅力的な雰囲気を醸し出しているのだろうか。

 

そしてこの「Lost In Supermarket」が収録されているアルバム「ロンドン・コーリング」は数多くのフォロアーを産んだ。クラッシュはセックスピストルズと比べがちだけど、本質的には全然違う。クラッシュはアルバム毎に音楽性が深くなって熟成されていく。

 

まあ、セックスピストルズは一枚しかアルバムを出していないけれど......

 

クラッシュはこのアルバムが素晴らしすぎて、自作がどんなものなのかも知らない。この他のアルバムも持っているけれど、これが良すぎて他が霞んでしまうのだ。

 

ロックの衝動と共に失った情景。確かに僕はあの時生きていてこの曲に出会い感動し、今も同じ曲聞いて感動している。僕は生きているのだ。

 

大切な目に見えない、心の深いところにある情景を思い出させてくれる、そんな曲がLost In Supermarketだ。

 

<おわり>

 


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